「トランスフォーマー・最後の騎士王」を鑑賞した翌日はあまりの興奮に頭の中が混乱していました。
数日が経過し落ち着いたところで、あらすじを振り返りながら感想を綴ってみようと思います。
その前に私自身トランスフォーマー実写版があまりに好きすぎるゆえ、評価が甘くケチのつけどころが殆どないということをご容赦願います。
トランスフォーマー・最後の騎士王
物語はイギリス暗黒時代から始まる
物語は、1,600年前のイギリス暗黒時代に遡る。アーサー王の魔術師マーリンと契約を交わした古代サイバトロンの12騎士。騎士がマーリンに与えた杖によりアーサー王らは、その戦いを勝利に導くことができた。
時は現代。オートボット狩りに遭い激減の一途をたどるオートボットだったが、シカゴの閉鎖地区でまだひっそり息を潜め生存していたオートボット達がいた。
シカゴで家族を失った少女イザベラが、この場所で生き残りのオートボットと家族同然に生きていた。しかしトランスフォーマーを敵視するサントス(墓場の風出身)率いるTRFに攻撃を受ける。
そこに現れたケイドとバンブルビー。
このときケイドは、絶命寸前である古代サイバトロンの兵士から、タリスマン(お守り)を託される。
一方、政府に追われるケイドとバンブルビー達は、スクラップ場で身を隠し生きていた。
心踊る新たなキャラクターの参戦
香港からイギリスへと舞台は移り、自然の映像美に加え毎度お馴染み怒涛の展開に目が釘付けになります。
物語も過去と現代が絡み合いさらに複雑化しています。
今までのシリーズを頭で整理しつつ想像力を働かせながら観るのもいいですが、頭を空っぽにして観るのオススメ。
個人的には、新たなキャラクターの参戦と復活したキャラクターの参戦で予想以上に楽しめました。
したがって、それぞれのキャラクターに焦点をあて一言づつ書き添えたいと思います。
ケイドイエガー(マーク・ウォールバーグ)
物語の主人公で大掛かりな役どころだ。
妻を失くしたのも、娘テッサと離れ離れになったのも全ては運命であり、選ばれし存在。
オプティマスプライム
故郷サイバトロンに向かい創造主に「地球に手を出すな」と告げに言ったオプティマスだったが……。
シリーズ至上、最も不安に思えた今回の物語。
オプティマスよ一体どうなってしまうのか。出番は少なくオプティマス一押しのファンにとっては非常に物足りなさを感じてしまうシリーズだったのではないでしょうか。
しかし、誰もが最後に頼るのはやはり彼しかいない。唯一無二の存在。守護神オプティマス・プライム。
我が愛しのバンブルビー
オプティマスが不在の間、指揮を取る若き戦士。
人類とトランスフォーマーが関わってきた歴史の中でバンブルビーの過去が明らかに。
種族の垣根を越え、犬のように人懐っこく信頼した仲間にはとりわけ忠誠心が強く義理堅い性格。
ドラゴンストーム
ガーデアンナイツ(古代サイバトロンの12騎士)が合体した三つ首ドラゴン。この物語の鍵となるマーリンの杖をマーリン亡き後も守り続けている存在。
1,600年経過した現代でも生き続ける騎士たち。その姿形は今だ衰えず貫禄があります。
と、ここで思い出していただきたいのが、「トランスフォーマー・リベンジ」に登場するザ・フォールンと7人のプライムの姿です。
騎士同様、7人のプライムも共に伝説の登場ボットです。
それにしても全く似ても似つかぬ容姿。ボットデザインとしては今回の騎士は非常にしっくりきます。
創造主 クイーンテッサ
惑星サイバトロンの創造主。冷酷で非情。
地球をユニクロンと呼び敵視。サイバトロンを復興させるためには「杖」を取り戻しユニクロンを滅ぼさなければならないとメガトロンらと手を組んでオプティマスを洗脳し地球に攻め入る。
シリーズ史上最も憎憎しいキャラクター「ロックダウン」に負けず劣らずの憎憎しさで存在感をアピールするクイーンテッサ。
オプティマスにビンタを食らわすとは全く持って腹正しい存在。
イザベラ(イザベラ・モナー)
シカゴの惨劇で両親を失っているが強くたくましく生きている少女。金属生命体に関する知識もありオートボットを修理することもできる。
序盤で家族同然のオートボット、キャノピーに対する愛情はグッと心に迫りくるものがあります。
また、スクイークスを守るためメガトロンにはむかっていく様も清清しい。
オートボット スクイークス
イザベラをママと呼んで母のように慕うオートボット。
終盤の戦いの大事な場面でイザベラの指示に従い活躍する。
エドムンド・バートン(アンソニー・ホプキンス)
情熱的でユーモアもある英国貴族エドムンド・バートン氏。ウィトウィック騎士団の最後の一人で執事のコグマンとの絡みはこの物語の見どころの一つです。
秘密結社ウィトウィック騎士団は、サムの曾曾祖父アーチボルド・ウィトウィッキーからその名が付いたと推測できます。
サム自身も秘密結社ウィトウィック騎士団の一人としてエドムンド・バートン氏の古城に写真が飾られています。
秘密結社ウィトウィック騎士団
歴史の影にあるトランスフォーマーの影を認識しており、来るべき日に備えて準備を進めていた。コグマン、ホットロッド、HMSアライアンス級潜水艦たちの存在を多く把握している。
TRANSFORMERS TOY GUIDE2017より
オートボット コグマン
英国貴族エドムンド・バートンの執事。
人間のように小柄な肢体ながらも、機敏で強く礼儀正しい。
ケイドに対しては極端な側面を見せる場面もあり、ケイドをエドムンド・バートンの下へ導く際には、腕だけ(タリスマンが巻きついた)持っていって良いかと聞くなど、その発言や行動にも注目したい。
ヴィヴィアン(ローラ・パドック)
マーリンの末裔で歴史の大学教授。マーリンの杖は血族である彼女しか操ることができないという重要な役割を担っています。
HMSアライアンス級潜水艦
博物館になっていた古い潜水艦。ヴィヴィアンが操縦桿を握ることで蘇る。
オートボット ホット・ロッド
ウィトウィック騎士団に属するオートボット。バンブルビーの戦友で、第二次世界大戦ではバンブルビーと共に活躍した過去を持つ。
マーリンの末裔、大学教授のヴィヴィアンを密かに警護しており、ヴィヴィアンをエドムンド・バートン氏の命で古城に連れて行く場面では、シトロエンDSからランボルギーニ・チェンテナリオをスキャンして変形する。
愛嬌があって人間とのコミュニケーション能力も高く頼もしい存在。
一瞬、時間の流れを操るのが得意技。
ミニダイナボット
どうやって誕生したのか謎ですが、スクラップ場で登場します。ロストエイジで活躍したグリムロック、スラッグ、ストレイプのミニ版。
いっちょ前に口から火を吹くが、ただただ可愛く見ていて癒されます。
ホイーリーの再登場
ダークサイドムーンで船を破壊し、バンブルビーの危機を救ったホイーリーとブレインズ。バンブルビーが一瞬の隙を突いてディセプティコンを倒すことができたのも彼らのおかげ。
その後、2体の消息は不明ということになっていましたが、ブレインズはロストエイジで登場。
今回ブレインズに代わり、ホイーリーが再登場。何とか生き延びていたというわけです。
ディセプティコン群 バリケードの再登場
バリケードといえば、トランスフォーマー第一作目に登場するサムを追い詰めるパトカーです。
スタースクリームがいなくなった今、唯一貴重な古キャラではないでしょうか。
今は亡きスタースクリームは、スクラップ場でデイト・レーダーが持ち帰ったガラクタの中に頭部だけが登場します。
メガトロン復活
ガルヴァトロンが装いも新たにメガトロンとして完全復活。増殖したディセプティコン軍団のリーダとして采配を振るうが、しかし最後は呆気なくオプティマスに蹴り飛ばされる始末。
ガルヴァトロンの姿形はKSIがデザインしたもので、メガトロンとしては自分の納得する姿に戻りたかったのだろうと勝手に推測。ディセプティコン軍団の何者かが、メガトロンを彼の指示通り修正したのでしょう。
それにしても、センチネルに砲撃されたアイアンハイドやロックダウンにとどめを刺されたラチェットは復活できないというのに、メガトロンは今尚しぶとく生き続けています。
ラチェットの死は、物語に陶酔している私にとって本当に悲しい出来事でした。ロストエイジを観る度にラチェットの最後の言葉「言うものか」が悲しすぎて、見ていられない場面です。
メガトロンといえば、ダークサイドムーンで一部破損した頭部を隠すためハギレをマント代わりにして歩く姿や、カーリーに簡単にけしかけれてしまうところは、どこかしら間が抜けて憎みきれない存在でもあります。
サイバトロンの復興させ支配することに強くこだわっていて、なんと今回クイーンテッサと手を組んでいるという。どこでそうなって、そうなったのか摩訶不思議な謎。
ちなみにトランスフォーマーは、オールスパークだけでなく頭部をやられても絶命するそうです。
今回は、呑気なドリフトたち
オプティマスが我に返ったところで再会しているため、オプティマスに対して尊敬の念をあらわにしますが、直前のバンブルビーとオプティマスの対決を知らないなんて、なんと呑気な彼らなんだろうと思ってしまいました。
今回、ハウンドと比べ出番が少ないドリフトやクロスヘアーズ。彼らの活躍があまりみられなかったのは残念かもしれませんが、新たなキャラクターが参戦し活躍したので彼らの穴埋めとしては十分だったといえるでしょう。
グリムロック
まさか自由になったグリムロックたちがスクラップ場で匿われていたとは。ロストエイジでは大活躍だった彼らですが、今回は残念ながら然程大した活躍は描かれていません。
スクラップ場のパトカーを食らいケイドに叱られる場面はなんとも滑稽で可愛いです。
唯一活躍したのは、スクラップ場から逃げ去ったケイドらを追い詰めるTRFを妨害する場面と、中盤のオートボットVSディセプティコン。グリムロックの登場で一旦ディセプティコン軍団は撤退しています。
ウィリアム・レノックスとモーシャワー将軍の復活
彼らの再登場にすごく期待していただけに、役どころはいまいちでした。TRFと協力してケイドたちを尾行して行きますが、サントスとは違い最終的にはディセプティコンのみを倒すことが狙い。
シモンズと一緒にいたオートボットは?
トランスフォーマー・ダークサイドムーンで登場し活躍している。最後の騎士王ではオートボットの一部はキューバの保護地区で生存していて、そこでシモンズと楽しく暮らしているという設定。
ジョシュアはどこの場面に?
ところでジョシュアが再登場するのかと思いきや、マーリンがそうだったとは後で知りました。全く別人の役どころだったというわけなのですね。
2D字幕版と3D吹替版
最初は2D字幕版で鑑賞し、2回目は3D吹き替え版で鑑賞しました。
字幕版と吹替版ではところどころニュアンスに違いがあり、それによって受ける印象も違ってきます。
エドムンド・バートン卿に対してコグマンが最後に放った言葉を例に挙げると
字幕版:「あなたが一番クールでしたよ。」
吹替版:「あなたが一番イキでしたよ。」
オプティマスとの再会を果たしたハウンドたちの会話の中でも
字幕版:「挨拶し忘れた」
吹替版:「もう、行っちまったよ」
また、吹替版でメガトロンがスタースクリームの頭部を手に持ち感情込めて「古き友よ・・・」と語りかける場面にはディセプティコンでありながらホロッときました。
例を挙げればキリがありませんが、吹替版では情に訴えられる場面が多く字幕版との違いを改めて楽しむことができました。
感想
前作でオプティマスが集結を呼びかけた際、集まったのは僅か4体。
テメノスに収容されていたダイナボットのグリムロック等は別にして、他にも生存していたオートボットがいたのにと思ってしまいます。
キューバの保護地区で生活するオートボット等には電波障害で届いてなかったのかもしれないし、ウィトウィック騎士団にすれば時は満ちていなかったのでしょう。
いずれにしても今作で最も良かった点は、バンブルビーが際立っていたことです。
つぶらな瞳のただただ可愛いだけでなく、バラバラになったパーツが一体化するといった新たな技を加えシリーズを追うごとにパワーアップ。強く果敢に挑み戦う姿に惚れ惚れします。
オプティマスとの対決シーンは見どころの一つで、バンブルビー本来の声をそこで取り戻すというのは、最高に胸に突き刺ささります。
そしてラストは、お決まりの「私はオプティマス・プライム」で締めくくります。
オプティマスと共にオートボット達は全員故郷サイバトロンに引き上げて行きました。
そのことからもケイド・イエガーとオプティマスが今後共に力を合わせ戦うことは二度とないだろうと思われます。さらにクイーンテッサの不穏な言葉で終わっています。
LINK Hasbro社とパラマウント「トランスフォーマー映画はリセットする」。しかし映画『バンブルビー』を皮切りに新たなおもちゃシリーズを計画中
今後シリーズがどうなっていくかとても気になるところではありますが、とりあえず次回作の「バンブルビー スピンオフ」に期待して気長に待とうと思います。
最後に、このような素晴らしい作品に出会えたこと、トランスフォーマー全シリーズに携わっている全ての人に感謝したいと思います。
映画館で入手した劇場限定含むトランスフォーマーグッズ2017版。
バンブルビースピンオフ予告編
さて、先日バンブルビースピンオフ予告編が解禁されました。
ビートルからのトランスフォームなので可愛いさマックス。
映画「バンブルビー」 物足りなさを残しつつもホロリと心打つ物語。